漫画家志望の人は出版社への『持ち込み』を考えたことがあると思います。ただ、これだけは言っておきます。
『口下手』な漫画家志望者は出版社に漫画の持ち込みをしないでください。
にゃあ!?ぼくは持ち込みしちゃいけないにゃ!?
私もあまり喋るのが得意ではないです・・・
それならばちゃんと準備をしましょう
作品が文句なく受賞レベルなら口下手なんて気にする必要はありません。
しかし、この先一緒に作品を作っていく作家がにあまり喋れない口下手では編集者も不安になりあなたの評価は下がります。
ぼくも口下手の一人です。
初対面で、しかもお仕事をもらえるかもしれない重要な相手には緊張してしまい、デビュー前に3回ほどした持ち込みではまったくうまく話せませんでした。
ぼくは幸運にも漫画賞で担当さんが付きました
しかし、編集者の生の感想を直接聞けるのは、大変有意義なことです。
では口下手の人はどうしたら良いか結論から言うと、『持ち込み』は事前に万全の『準備』をしてください。
では『持ち込み』で失敗した漫画家が考える、編集者対策を解説していきます。
しっかりと対策をすれば円滑な『持ち込み』が出来、自分のアピールになります
万全な準備を先に知りたい人は目次の見出しからどうぞ。
・漫画持ち込みに必要な準備と考え方
『出版ビジネス』から考える編集者対策はこちら。
『持ち込み』のメリットは?
持ち込みにはほぼメリットしかありません。
持ち込みのメリット
- 現役編集者の生の感想をもらえる
- 漫画賞とは違い、いつでも見てもらえる
- 出版社の求めている作品傾向を教えてもらえる
- 漫画業界の話も聞ける
- アシスタント先を紹介してもらえることも
持ち込みのデメリット
- 交通費がかかる(ネット持ち込みなら不要)
- 持ち込みをした出版社や雑誌にあったアドバイスしかもらえない
プロの編集者に見てもらうことはとても重要です。漫画の構造を理解、分析してその上でアドバイスをくれるからです。
ドラゴンボールの担当の鳥嶋和彦さんの著書で編集者を評価する基準についてこう書かれていました。
作品を面白いかどうか『判断』し、どこが面白くないのか『分析』し、どうすれば面白くなるのか『提案』できなくては優秀とは言えない。
鳥嶋和彦さんの著書『Dr.マシリト最強漫画術』はこちらの記事からどうぞ。
【マシリト流】長期連載漫画の作り方もわかる珍しい一冊【読者の視点で】
編集者側の意見がわかる珍しい本です
持ち込みの失敗例
何日、何か月もかけて描いた漫画を出版社に早く『持ち込み』したい気持ちはわかります。
でも少し待ってください。口下手な人は万全の準備をしましょう。
ぼくの失敗体験談を紹介します。
はじめて『持ち込み』をしたのは17歳の高校生の時で出版社は竹書房、雑誌はコミックガンマでした。
ぼくは漫画が完成したので勇気を振り絞り、電話で持ち込みのアポを取り出版社へ向かいました。
しかしその時ぼくは漫画を見てもらうこと以外何も考えておらず、編集者との受け答えをほとんどまともにできませんでした。
もちろん担当になってもらえることもなく、その後、数社の持ち込みも失敗しています。
ぼくの『持ち込み』の失敗は漫画を持っていけばそれだけで良いと思っていたことです。
持ち込みは漫画を持っていくだけじゃダメなんですね
はい。事前に対策をしないと気まずくなりますよ
万全な準備とは
では『持ち込み』に必要な具体的な準備について解説していきます。
- 自分の漫画の良いところ、悪いところを探しておく
- 質問を考えておく
- 別の漫画のネームも用意しておく
1、自分の漫画の良いところ、悪いところを探す
完成した自分の漫画にケチをつけるようで気が乗らない人もいると思います。
しかし漫画にはキャラ、ストーリー、演出などに無限の分岐、種類があり、この練習をすることはプロとしてやっていく上で絶対に無駄にはなりません。
編集の人に作品を見てもらったときに、『こうしたほうがいい』、『ここがダメ』、『ここは面白い』、『キャラがいい、悪い』と言われます。
その会話に事前に準備しておくことになり、沈黙せずに会話にもなります。
会話になることで次のアイデアが生まれます。
完成した漫画を完璧だと決めつけずに良いところ、悪いところを書き出しておきましょう。紙に書いておくと良いでしょう。
なるほどにゃ!これなら沈黙しないで会話が出来そうにゃ
編集者と話すことで次のアイデアもでるんですね
ぼくはまともに会話ができず、アイデアも生まれませんでした
編集者の存在は、ただ原稿を受け取るだけではありません。
一人では思いつかないことも二人の意見が混ざると新しいアイデアが生まれることがあります。
持ち込みをしたら、編集者との会話は積極的にしましょう。
2、質問を考えておく
漫画業界の質問をする。
持ち込みは編集者の生の考えを聞けるとても貴重なチャンスです。
一通り完成原稿の話が終わったらその作品に関係ないことも聞いてみましょう。
『作品に関係ないことですが・・・』と前置きすれば漫画に関係があることならば、ある程度の質問には答えてくれます。
雑誌の傾向や流行のジャンルを聞いてみるのもいいでしょう。今必要な作家が見えてくることもあります。
流行のジャンルとか、漫画業界のことを聞きたいにゃ!
答えてくれるかは、編集者さん次第です
3、別の漫画のネームも用意する
『持ち込み』は作品だけでなく、作家のアピールの場です。
完成した原稿でそのまま賞を取れる人はほとんどいません。いろいろな漫画を描けるというアピールをしておけば担当になってもらえる確率が上がりますし、自分の才能を見つけてもらいやすくなります。
1本の漫画を持ち込みして『惜しい』所まで行っていても、中々担当にはなってもらえません。
なぜならば、すでに漫画家志望を何人も、場合によっては何十人も担当しているからです。
『惜しい』ところまで行っていれば、編集者は『担当』になろうか迷います。その迷っている時に他の作品をすぐに見せられることはとても大事です。
なるほど。追加で自分をアピールするんですね
編集者へのアピールの方法はこちらの記事でも
持ち込み時の裏技
持ち込みでアドバイスを受けるときにメモ帳を用意したり、聞き漏らさないように集中したりすることがあります。しかし本当は録音ができればよいと思ったことはありませんか?
Dr.スランプの担当の鳥嶋和彦さんの『Dr.マシリト最強漫画術』ではこう言っていました。
『許可を取ったうえで録音をしてもいい』
メモを取っていると話に集中できないことがります。ぜひ許可を取ったうえで録音をしましょう。
もちろん録音の許可をされても無断でネットに流したりするのは法律に触れるのでやめましょう。
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DMMブックス
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『同じ日』に別の出版社も予約
ほとんどの人が長時間をかけて東京の出版社に向かうのに、1社だけの持ち込みはもったいないです。
東京にある出版社はほとんど近くにあり、移動時間はあまりかかりません。
例えば、集英社(ジャンプ)と小学館(サンデー)のビルは徒歩5分の距離です。
多く見積もっても次の予約まで2~3時間空ければ十分です。
もし1社目で気に入ってもらい話が弾んでも、この後予定がある。といえば、すぐに帰っても大丈夫です。
より多くの編集者に見てもらうことで確実にチャンスが増えます。
複数の出版社に行ったら誠意が足りない気がするにゃ・・・
自分の時間は有限です。編集者さんも承知しています
可能ならば午前中に1社、午後に2社くらいの気持でいいと思います。
どこの出版社に持ち込みをするか迷ったらこちらの記事も参考に。
ジャンプに持ち込みを考えているならこちらの記事も。
持ち込みで担当が付かなかった完成原稿はどうする?
もし担当が付かなかった場合の完成原稿を自宅に眠らせておくことはもったいないです。
可能ならば出来る限り持ち込みをしましょう。
同人誌即売会の出張編集部にもっていくことが効率が良いと思います。
その他にも、そのまま手直しせずに投稿することもお勧めです。
編集者にダメと言われた原稿でも他の編集者があなたの才能に気づくことがあるからです。
より多くの編集者に見てもらうことが必要なんですね
それでもだめだった原稿はこちらの記事を参考に再利用を。アプリ100社以上に一括登録できます。
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【注意!】『持ち込み』で失敗した漫画家が考える、編集者対策まとめ
『持ち込み』は作品と同時に『自分』をアピールする場だという認識が大切です。
編集者も人間です、今はまだ半人前だけど精力的な作家さんには活躍してほしい、一緒にやりたい!と思うものです。
自分の漫画に意見を言われることに慣れている人は少ないと思います。
相性の悪い編集者だと傷つくことを言われてしまいへこむことがあるかもしれませんが、漫画の評価は読み手によって変わるものです。
相性の悪い編集者さんに当たった場合は『見せる相手が悪かった』くらいの精神で次の出版社に向かいましょう。
読む人によって漫画の評価は変わるということを覚えておいて、嫌なことを言われてもヘコまないように!
出版社としては推奨していないことですが、特定の雑誌にこだわるのなら同じ編集部の別の人に後日アポを取り、見てもらうのもありだと思います。
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【アニメ化も!】Caleido(カレイド)の電子書籍配信サービスはここが違う!
ジャンププラス持ち込み体験談はこちら。
持ち込みを迷っている人はこちらの記事も。
漫画添削はこちらも。
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