このページでは本ブログ管理人の『漫画家水兵きき』が意識している漫画の作り方について大きな4つの要素を解説していきます。
第1回目は『面白いワンパターンを作る』です。
プロが何を意識して漫画を描いているか知れるにゃ!?
ワンパターンでいいのですか?
連載獲得に有利なのか!?
『面白いワンパターン』は連載をもらうのに必ず有利になります。その理由も解説します
あなたは連載用に描いた漫画の第1話が、編集者にとても高い評価を受けたら連載できると思っていませんか?
答えはNOです。
思いつきと勢いで漫画を描いていては、中々『面白い』を続けることは難しいです。
漫画の重要ポイントを意識して漫画づくりをしてください。
【水兵流2】漫画に『制限』をかけて『個性』を作り自分だけの作品を描く!
【水兵流3】キャラや設定に『強く関連したエピソード』を選ぼう!
【水兵流4】エピソードを『演出』し読者の心を揺さぶる!
『面白いワンパターン』って何?
ここで言う面白いワンパターンとは、
『何度も使えるキャラや設定を絡めた面白いやり取り』のことです。
わかりにくいと思うので、具体的な例を出します。
主人公の男子高校生はクラスに好きな女の子がいて何度もアプローチするも毎回ぶっきらぼうに断られる。
その女の子はsnsの絵師インフルエンサー(顔出ししてない)が大好きで、そのインフルエンサーのことを考えると恋する乙女になる。
しかし実はそのインフルエンサーの正体は主人公。お互い気づいていない。
漫画にするとこんな感じです。
この『面白いワンパターン』を言葉にすると、
実は両想いなのに気づいてない2人。主人公が恋敵だと思っている絵師は自分。
よくある設定かもしれませんが、わかりやすい『面白いワンパターン』になっていると思います。
どちらかが正体に気づくまで何度も使えます。
上記のように『面白いワンパターン』を簡潔な言葉にしておくと、間違った方向に行かないので良いでしょう。
このワンパターンがあると話の方向がズレずにすみ、編集者側にも毎回おおよそどんな漫画になるの伝わり漫画の全体像が掴みやすくなります。
『面白いワンパターン』の作り方
『面白いワンパターン』の作り方は以下を基準として考えると作りやすいでしょう。
- 読者もわかる上手く行っていないこと
- すぐには解決しないこと
- 相反する考えや状況、障害があること
キャラの悩みを生かすんですね
それから『面白いワンパターン』には大きさに種類があります。
- キャラ2人(もしくは1人以上)で出来る『面白いワンパターン』(小サイズ)
- ストーリー1話分で出来る『面白いワンパターン』(中サイズ)
- 長編ストーリーで出来る『面白いワンパターン』(大サイズ)
1の『小サイズは』キャラ1~複数で行え、1話の中で何度も使えるタイプです。
まずはこれが基本になるんだな
2の『中サイズ』はドラえもんのような1話全体で使えるタイプです。
ドラえもんの場合の『面白いワンパターン』は、のび太がジャイアンにいじめられて、ドラえもんのアイテムで復讐。調子に乗りすぎて痛い目に遭う。という1話分を使ったワンパターンです。
3の『大サイズ』は名探偵コナンなどが当てはまると思います。
『中サイズ』『大サイズ』の中には『小サイズ』の『面白いワンパターン』が作れるので、自分が作った『面白いワンパターン』がどのサイズなのか考えながら作ると良いでしょう。
まずは最小で作りやすい2~3人で『面白いワンパターン』を作る練習がお勧めです。
以下は出来た『面白いワンパターン』が有効かどうかの見極め方です。
『面白いワンパターン』になっているか?見極め方は?
自分では『面白いワンパターン』が出来たと思っていても、他の人にも面白いと思ってもらえるか判断することはとても難しいです。
『面白いワンパターン』には、いくつかの基準があるので、参考にしてください。
『面白いワンパターン』の基準。
- ギャップがあるかどうか
- キャラが絡んでいるかどうか
- 個性があるかどうか
- すぐに満たされないパターンになっているかどうか
- 一言で読者がわかりやすいかどうか
- 読者に共感されるかどうか
基準があるんだな!俺のはすべて満たしてるぞ!
それは自分だけそう思ってるのかもしれません
基準があっても中々「面白さ」を判断するのは難しいことです。一番は漫画のプロである編集者に見てもらうことが良いです。
当サイトでも「趣味で漫画を描く。から商業誌でプロとして描くへ」というテーマで生徒さんを募集しています。詳しくはこちら。
『面白いワンパターン』の具体例
ここでは漫画やアニメで『面白いワンパターン』の具体例をあげていきます。
ここで例に出した漫画はぼくが読み解いたもので、的外れなこともあると思います。
しかし、人気のある作品の『面白いワンパターン』を見つけることはとても勉強になります。
自分の作品に取り入れられるように人気作品の『面白いワンパターン』を見つけよう!
クレヨンしんちゃん
キャラクターだけで『面白いワンパターン』
しんちゃんは子供離れした度を超えたイタズラや大人向けのジョークで、それに巻き込まれた周りのキャラが困惑する。でも子供のすることだから許してしまう、ほっこりしてしまう。という『面白いワンパターン』(小サイズ)
江戸前エルフ
キャラと設定で『面白いワンパターン』
町のみんなに有難がられる神様(エルフ)だが、引きこもりのただのオタク。それを知ってるお世話係の巫女だけは、やる気のない神様(エルフ)に困惑。(小サイズ))
あいは呪いの日本人形
これはぼく水兵ききが連載していた作品です。
キャラと設定を合わせた『面白いワンパターン』
フィギュアが大好きなオタクな主人公はある日、蔵で呪いの人形を見つける。
呪いの人形は主人公を怖がらせたいが、主人公は動く人形に大興奮。とても大事にする。
すると呪いの人形はアイディンティティ的に複雑だけど嬉しくなってデレてしまう。
という『面白いワンパターン』(小サイズ)
自分の漫画はどこが『面白いワンパターン』なのか自覚しておきましょう
『面白いワンパターン』は、なぜ連載に繋がる?
連載用に描いた漫画の第1話が、編集者にとても高い評価を受けたら連載できると思っていませんか?
答えはNOです。
頑張ったのに、なんでにゃあああああああ?
NOの理由は、それだけでは第2話以降どうなるか想像が出来ないからです。
例えば第1話で二人の恋愛が成就してしまったらどうでしょうか?どんなに面白くても2話目以降が想像できません。
編集者の立場からみるとどんなに1話目が面白くても、1話目に面白いパターンが見つけられないと2話目以降が想像できず、編集長や連載会議に作品を回すことは難しくなります。
逆に面白いワンパターンがあると、「ここが面白い!」と編集長などに伝えやすく、連載に繋がりやすくなるというわけです。
漫画家としても『面白いワンパターン』を認識していると連載を続けやすくなります。
それは、これまでと違うエピソードに『面白いワンパターン』をかけ合わせれば新しい話が作れるからです。
漫画家にも編集者にも『面白いワンパターン』がメリットになるんですね
【水兵流1】設定やキャラに『面白いワンパターン』を作れば連載獲得に有利!まとめ
なんとなく行き当たりばったりでストーリーを作っていても読みきりは面白くかけても、連載獲得はとても難しいです。『面白いワンパターン』を作れば、編集者にも力強いアピールが出来ます。