漫画の導入1ページ目の描き方は?ジャンルによっても違う?

漫画はとにかく無駄なことを描かないことが求められます。そのことを知っていると最初の1P目をどうはじめるか?漫画を描く人にとって、とても悩むと思います。
描きたい漫画はあるけど『どこ』の『何』から描いていいのか・・・
『世界観から描くべきか?』
『セリフからでもいいのか?』
『キャラのアップからでも大丈夫なのか?』
『 何から説明したらいいの?』
この記事はそういう漫画家志望の方に向けて書いています。
読み切りや連載の最初の1Pに何を描くべきか、
その答えは『世界観』『現状』『キャラ』です。では解説をしていきます。
導入の基本

漫画の導入で読者に伝えるべき基本情報はこちらになります。
- 世界観
- 現状
- キャラ
読者にはあなたの漫画がどんな漫画かわかりません。まずは『5W1H』。「When:いつ」「Where:どこで」「Who:だれが」「What:何を」「Why:なぜ」「How:どのように」といった基本的な情報を伝えましょう。
分かりやすく言うと、『世界観』は現代なのか?異世界なのか?過去?未来?などです。
次にキャラの置かれている『現状』は平穏なのか?すでに何か悩みがあるのか?命の危険に晒されているのか?などです。
そして『キャラ』はどんな性格でどんな姿のキャラなのか?を見せていくと読者も理解しやすくなります。
キャラの魅力はストーリーとともに深堀していけますが、1P目では『世界観』と『現状』をまず見せることが読者にどんな漫画であるのか伝わっていいでしょう。
描き出しのパターン
まずは『扉ページ』のことは抜きにして、1P目の描き出しのパターンを見ていきましょう
- 風景で世界観をみせる→キャラ紹介。の流れ
- 回想シーンからはじめる→『今』に戻る。の流れ
- 漫画のカギとなるシーンから始まる→主役紹介。の流れ
基本的にこのどれかを意識して、漫画に合ったもの、読者が興味を持ちそうなエピソードを選べば大丈夫です。
ぼくの漫画を例にあげるとこうなります。
下の画像は『水兵ききの『ヒーローもの』と『転生モノ』』という同人誌で描いた転生ものです。
異世界の場合はやはり世界観から丁寧に入るほうがより多くの読者のためにも無難です。ここでは風景や現状整理から入っています。

次は『みかにハラスメント』第1話です。ここでは衝撃的な回想シーンから入り、読者の興味を引き付けています。

あまりやっている漫画は見られませんが、情報量が少なければキャラの顔のアップやセリフから始めても大丈夫です。
ここでの情報は1、女子高生。2、驚いている。3、少ないセリフ。これ以上情報が入るなら前に1コマ増やして情報を分散したほうが良いでしょう。
次は『あいは呪いの日本人形』の第1話の1P目です。ここでは物語のカギとなるシーンから始まっています。

この漫画だとわかりにくいので例を挙げると、たとえば、
『現代の話だけど、不思議な力を持っている』場合などは最初のほうにその力を見せることで、どんな漫画なのか読者が理解しやすくなります。
注意したい点
導入1P目での注意点はいくつかあります。
1P目からコマ数や文字数が多いと、労力がかかり読者が読むのを辞めてしまう可能性が高くなります。複雑な設定でも簡潔に説明する力をつける必要があります。
簡潔に説明するには必要最低限の要点をまとめて、その上で読み心地も悪くならないように何度も修正しましょう。
その際、漫画は文字だけでなく絵でも多くのことを表現できるので、絵で表現できることは文字で書かなくていいことも意識してください。
注意したいこととしてもう1つは『5W1H』と伝えましたが、物語は読者に全ての情報を見せる必要はないということです。
何を見せ、何を隠したほうがあなたの漫画は面白くなるか?ということも考えてください。なにを隠したらいいかは終盤の山場をより効果的に見せることを意識すると答えが出てくるでしょう。
参考に
参考にぼくの漫画の1P目をいくつか紹介しておきます。
こちらの『かすみ♂』は風景で世界観をみせる→キャラ紹介。の流れに当てはまります。正確には扉ページがあるので2P目です。

制服を着ているので『世界観』は現代だとわかり、『現状は』今から何かはじまるのだとわかります。
こちらは『水兵ききの『ヒーローもの』と『転生モノ』』という同人誌で描いた『解放ヒロイン』です

この漫画では、モンスター出現→制服姿のキャラ登場。という順番で見せ『世界観』は現代であること、そしてモンスターと闘う人物がいるという起点を見せています。
まとめ
ファンタジー漫画は丁寧に世界観から。それ以外は風景やキャラ、キャラの置かれている現状から入るのが良いでしょう。
回想シーンから入る場合は主役のトラウマのシーンや誰が見ても衝撃的なシーンなど読者が興味をもつことを意識して描きましょう。
描きたい終盤のシーンに力を入れることは大事ですが、読者を漫画に入り込みやすくする導入部も力を入れてください。導入部でもたついてしまうとせっかく読んで欲しい所まで辿り着いて貰えないことになってしまいます。
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こちらはぼくのココナラのプランです

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こちらもお勧めです。





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