【デビュー方法】初めて漫画を描く人の基礎と用語解説【起承転結・コマ割り】

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漫画を描きたいけれど、はじめは何をすればいいの?漫画ってどう描くの?という初心者さんもいると思います。

あかにゃん

ストーリーの作り方の基本を知りたいにゃ

あおにゃん

コマの割り方も教えてほしいです

きいにゃん

どうやって漫画家になるんだ!?

すいへい

物語の『起承転結』と『コマ割り』、そしてどうやって『漫画家になるのか』まで基本を教えます。漫画の特徴についても解説します

漫画を描いてみようと思っても物語の描き方や漫画家のなり方は最初はわからないものです。

物語の作り方と漫画家になる方法、そして実際にぼくがどうやってデビューしたのかも紹介いたします。

後半には漫画制作の基本となる用語の説明もしていきます。

この記事でわかること

・漫画の特徴

・漫画の起承転結

・漫画のコマ割り

・漫画家のなり方

漫画を描く具体的な基本手順を知りたい人はこちらもどうぞ。

本ページ筆者の経歴

漫画家。PN水兵きき。連載9回立ち上げ。漫画家協会会員。クリスタ検定(マンガ)合格。ココナラ漫画添削PRO認定。デジコレ『魔王だけどレベル1~』作品紹介ページ

目次

漫画の基礎・基本

漫画の特徴

基礎知識として漫画の特徴も覚えておきましょう。

  • 『絵と文字』で物語が進む
  • コマがあり、1つずつ進む
  • 静止画
  • 基本は白黒
  • 音が無い
  • 家で一人でも描ける
あおにゃん

改めて考えるとアニメと違い、漫画特有の特徴が結構ありますね

すいへい

家で一人で描けるからはじめやすいですね

紙や画面だけで長編のストーリーが展開する媒体は漫画だけと言えるでしょう。

起承転結を覚えよう

漫画を描くためには物語を作りましょう。覚えておきたいのは基本は『起承転結』です。

起承転結とは

第一句(起句)でうたい起こし、第二句(承句)でこれを受けて発展させ、第三句(転句)で場面や視点を転じ、第四句(結句)でこれらを受けつつ全体をしめくくる。また、文章や話などで全体を秩序正しくまとめる構成の意として用いられる。

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E8%B5%B7%E6%89%BF%E8%BB%A2%E7%B5%90/

わかりやすくすると

・『起』物語がはじまる。

・『承』その物語を膨らませる。

・『転』それまでの物語に変化が起こる。

・『結』締めくくる。

これを漫画制作にあてはめるとこうなります。

1 『起』物語がはじまる。

・舞台はどこ?(現代、過去、未来、異世界など)

・キャラクターは?(キャラの性格、容姿、人間関係など)

・設定は?(どんな設定?)

・どんな話?(どんなジャンルで読者に何を見せたい漫画なのか)

・今はどんな状況?

すいへい

基本的なことを読者に説明しよう

2 『承』その物語を膨らませる。

・『起』で紹介したものを膨らませて発展させる
悩みや問題やストレスがより深刻になったり発展する

3 『転』それまでの物語に変化が起こる。

・『承』で深刻化したことに変化を起こす
悩み、問題、ストレスの解決

4 『結』締めくくる。

・まとめる
『めでたしめでたし』や、次の目標が見つかる

きいにゃん

こうやって最初は『起承転結』を意識して物語を考えると描きやすいんだな!

コマ割りを覚えよう

漫画の大きな特徴である『コマ』は、あなたの漫画を読んでくれる読者にストレスが無いように順番を意識して描きましょう。

漫画のコマを読む順番の基本はこうなります。

右上➡左➡下の段の右➡左 という繰り返しです。

基本的にコマの順番は複雑にしないほうが良いでしょう。

見せたいコマの都合でどうしても少しだけ複雑なパターンでコマを作りたい時も出てきます。そのパターンもご紹介します。

すいへい

読む順番を読者に迷わせないようにしましょう

投稿と持ち込みをして漫画家になろう

漫画が完成したら出版社に『投稿』や『持ち込み』をしましょう。

投稿

投稿とは漫画出版社の『漫画賞』に原稿を郵送することです。

編集者が作品に良い評価をすれば、賞(大賞、準大賞、入選、準入選、佳作など)を受賞し、雑誌に掲載されて漫画家デビューできます。

持ち込み

持ち込みとは漫画出版社に連絡して、編集者に自分の漫画を直接売り込みや意見を聞きに行くことです。

編集者から感想を聞けるのでとてもためになります。

良い評価をされればそのまま原稿を編集者さんに預けて、漫画賞に応募➡受賞➡デビュー ということもあります。

あかにゃん

持ち込みはなんか怖いにゃ

すいへい

現役編集者から意見が聞けるのは貴重です。最近はリモート持ち込みの受付も多いです

持ち込みに関してはこちらもどうぞ。

本ブログ管理人(水兵きき)のデビュー方法

すいへい

ぼく水兵ききの漫画家デビューのお話をします

上記の方法と少し違うので、1例として参考にしてください。

ぼくがデビューしたのはガンガンで知られるスクウェアエニックスでした。漫画賞に投稿した作品が編集者の目に留まり連絡をもらいましたが、賞の『受賞』はできませんでした。

上記で上げたように、賞を受賞➡雑誌に掲載。というのが漫画家になる。という基本的な方法です。ではぼくの場合どうだったかというと、投稿した作品は『最終候補』に残りました。

その時に『担当』がつきました。

※漫画業界で言う『担当』がつく。とは、編集者が漫画家とタッグを組み漫画を作っていく。というものです。

きいにゃん

最終候補でも担当がつくことがあるんだな!

そして投稿作とは別の新しい漫画の話を作ろうとその担当さんとしていた時にそれはおきました。

担当さんから『この前の投稿作が雑誌に掲載されることになったよ』ということを聞き、ぼくのデビューが決まりました。

すいへい

受賞しなくてもチャンスはあるということです

プロの漫画制作を順序だてて解説し、用語の意味も説明していきます。

漫画制作の順番は大きく分けるとこうなります。

  1. 担当さんと打ち合わせ
  2. プロット
  3. ネーム
  4. ネーム提出
  5. 下描き
  6. ペン入れ
  7. 仕上げ
  8. 原稿提出
  9. 雑誌掲載
  10. 単行本発売
  11. メディアミックス・・・?

1・担当さんと打ち合わせ

まずプロの漫画家は担当編集者と次に描く漫画の『打ち合わせ』をします。打ち合わせは基本的に漫画家の家の近くの飲食店や、出版社の近くの長く話せるお店などでします。

漫画家の職場でしたり、電話、メールでするということもあります。漫画の話に入る前と、一通りまとまったあとに雑談をすることもあります。

・打ち合わせ・・・次の漫画はどんな内容が良いか編集者と漫画家の双方が提案し、話を煮詰めていきます。漫画の方向性を決めるとても重要な話し合いです。

2・プロット

打ち合わせで話したことを元にして『プロット』を書きます。打ち合わせの時に思いついたプロットをメモしておく場合もあります。新しいキャラクターが出る場合にはプロット段階でキャラクターデザインをします。

・プロット・・・『構想』などの意味があり、漫画では漫画の『1話分』の設計図や小さなエピソードを指すことが多いです。

プロットは特にこれから描く話に関係する『小さなエピソード』をどれだけ出せるかが重要になります。
次に漫画の話の流れを決めます。

話の『流れ』を決めることと『エピソード』出しは、同時に進めたり、流れを先に決めてエピソードを考えたり、その逆の順番で考えたり漫画家それぞれです。自分のやりやすい方法で良いでしょう。

3・ネーム

プロットを元に『ネーム』を描きます。細部まで描く必要はありませんが、漫画家によっては下描きも兼ねている場合があります。

・ネーム・・・下描き前のラフな下描きです。『セリフのみ』をネームという場合もあります。

ネームではコマ割り、構図、セリフ、導入部分、山場部分、表情 をある程度決めていきます。

・コマ割り・・・コマを作ることです。コマ割りは中に描く絵の動きやストーリーの重要な部分などで大きさが変わります。

左ページ(奇数ページ)の最後が小さくなり、次のページの1コマ目が大きくなる(見せゴマ)のが基本です。左ページで次のページをめくりたくなる様に意識して描きましょう。1P当たりのコマ数はなるべく4~6コマにしましょう。

4・ネーム提出

できた『ネームを担当編集者に提出』し、チェックしてもらいます。ネームのOKが出ればこの先は基本的にチェックはありません。

・ネーム提出・・・ネームが完成したら担当さんに見てもらいチェックを受けます。担当者が気になるところがあれば指摘してくれますので修正しましょう。

ネームの元の意味はセリフだけをさしました。しかし今では下描きの前段階の下描きをネームと呼ぶことが多いです。

5・下描き

OKが出たネームを元に『下描き』を描きます。ネームとは違い、ここでは細部まで描き込みをします。

・下描き・・・ネームを元に丁寧に下描きをします。デッサンの狂いが無いように気を付けましょう。

・デッサン・・・漫画においてのデッサンとは物の形を歪みなく正確に捉え描くことです。ペン入れしてから修正するのは手間がかかるので下描き段階で気を付けましょう。

6・ペン入れ

下描きを元に『ペン入れ』をします。読者に一番見てもらえるところです。気合を入れてペン入れをしましょう。

・ペン入れ・・・下描きを元にペン入れをします。線に強弱、線の抜きを作ることを意識してください。線の太さが一定だと漫画の線だと言えず違和感があります。

・線の強弱・・・線に強弱があると『生きた線』となり、光が当たっていることを表現出来たり、奥行きやキャラクターの動き、物の硬い、柔らかいなどの質感を表現できます。

7・仕上げ

ペン入れした原稿を元に『仕上げ』をします。仕上げは原稿に色味をつけたり、流線でテンポを良くしたり、白抜きで見やすくします。

・仕上げ・・・仕上げの主な工程はベタ塗り、トーン貼り、集中線、白抜き、ハイライトを行います。

・ベタ塗り・・・原稿に墨やインク、デジタルならバケツツールを用いて広範囲を黒くします。最近の漫画は全体的にクオリティが上がっているため、ベタ塗りが非常に重要です。

・トーン貼り・・・本来漫画は白黒です。その漫画原稿に色味をつけるために『グレー』に見える透明なシール(アナログの場合)を貼ります。それがトーンです。色々なガラ模様のトーンもあります。

・集中線、流線・・・漫画のテンポを良くしたり、注目させたいところを目立たせるなどで使用します。

・白抜き・・・目立たせたいキャラクターや物の周りを白く抜きます。キャラクターと背景を差別化してキャラクターを見やすくするために行うことが多いです。

・ハイライト・・・漫画では光が当たっているところにホワイト(白いインク)を足して色味の幅を広げます。ハイライトをうまく入れると見栄えの良い原稿になります。

8・原稿提出 

原稿が完成したら、アナログの場合は郵送や取りに来た担当編集者に『原稿を提出』します。デジタルの場合はメールで送ります。

・原稿提出・・・完成原稿を担当者(出版社)に提出します。出来た原稿に直しが入ることはまずありません。

すいへい

ぼくは手書きの漢字が間違えていたときに一度だけ遠慮がちに直してほしい。と言われました。

ネームでOKが出ればほとんどの場合は、その後は編集者はノータッチです。

・写植・・・正確には『写真植字』漫画の吹き出しの中のセリフを編集者がフォントで入れます。

9・雑誌掲載

写植を打ち印刷所に入稿され『雑誌に掲載』されたり、アプリで公開されます。原稿料は掲載された月の月末か、次の月の月末がほとんどです。


・原稿料・・・原稿料は1ページの当たりで決まります。連載が決まったり、単行本が出たりすると上がることがあります。その他にも他社に移籍して描くと、大きく上がることがあります。

すいへい

ぼくは1P7,000円からはじまり、1P11,000円まで上がりました

・巻末作者コメント・・・雑誌の巻末に漫画家のコメントがあることがあります。コメントでもお金が発生します。ぼくは1回2000円いただいていました。

10・単行本発売

連載が続くと『単行本が発売』されます。単行本が出ると印税がもらえます。

・単行本・・・漫画の場合、1冊まるごと単一の漫画で占めた本です。

・印税・・・紙の本の場合1冊印刷されるごとに支払われるお金です。(印刷されれば、売れなくてももらえます)

デジタルの場合はDLされるごとにもらえます。大手出版社の印税は紙の単行本は基本的には10%で、デジタルの場合は20%~25%程になります。アプリなどではそれ以下に下がってきています。

・重版・・・単行本が再度印刷、発行されることです。単行本発売後あまり時間が経っていないときに、売れて品薄になってくると重版がかかることがあります。重版についてはこちらの記事も。

11・メディアミックス

漫画は人気があると『メディアミックス』としてアニメ化やドラマCD化されます。メディアミックスはほとんど他人任せです。

すいへい

ぼくは『みかにハラスメント』がドラマCD化され、ジャケットイラストと封入イラストを描き、サンプルの中から声優さんを選びました

・アニメ化・・・漫画がテレビやDVDでアニメになることです。

・ドラマCD化・・・漫画がドラマCDになることです。ジャケットイラストを描いたり、声優さんを選べます。

すいへい

収録にも立ち会い、モブキャラとして声もあてました!

まずは『起承転結』を意識して物語を考えてみましょう。読みやすい『コマ割り』にも注意してください。漫画が完成したら『漫画家デビュー』するために投稿と持ち込みも!用語の意味と内容も覚えておいてください

すいへい

まずは1本漫画を描いて練習しましょう

具体的な漫画制作手順はこちらから。

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