漫画を描いていているとデッサンが狂っていることに気づいたり、デッサンが取れないことがよくあります。
今日はなぜか上手く描けないにゃあ。何度やっても治らないにゃあ
絵がおかしいけど、どこがおかしいかわからないです
デッサンを治す方法を知りたいぜ
デッサンの狂いに気づく方法と、それを治す方法、それでも治らないときの対処方法を解説していきます
漫画はストーリーが大事ですが、ストーリーに入り込ませるためにデッサンの狂いが無いように注意が必要です。
そのままデッサンが狂いっぱなしで漫画を完成させてしまっても、その漫画が編集者の目にとまる可能生が低くなります。
改善方法を知って、デッサンの狂いに対処しましょう。
デッサンの狂いに気づくには?
絵を描いている時にどこかデッサンがおかしいな。と思うことがあります。
自分で気づくなら良いですが、プロでも気づかないでペン入れまでしてしまうことがあります。
そうならないように事前におかしい場所を見つける簡単な方法を取り上げていきます。
- 裏返す(左右反転)
- 絵を縮小する
- 時間を置く
裏返す(左右反転)
絵を裏返します。すると歪みに気づくことが多いです。
どうして狂いに気づく?
その理由は人にはそれぞれ利き目があります。そのことにより、反転したときに違和感に気づきやすいということです。
反転を何度も繰り返しながらデッサンの狂いを治していきましょう。
絵を縮小する
絵を縮小します。するとデッサンの狂いに気づくことがあります。
どうして狂いに気づく?
これでデッサンの狂いがわかる理由は、絵を全体として見ることでバランスに気づきやすいからです。
デジタル制作ならばすぐにできることなので試してみてください。
時間を置く
時間を置いて自分の絵を改めて見るとデッサンの狂いに気づくことがあります。
どうして狂いに気づく?
描いているときは冷静に判断できないことがありますが、時間を置いて頭を切り替えることで気づきます。
※時間が無い時には難しい方法かもしれません。
デッサンの狂いが無いかコマメにチェック
デッサンの狂いを治すには?
続いてデッサンの狂いを治す方法です。
- 大きなパーツとして描いたあとに細かい部分を描く
- センターラインを入れる
- 確かな部分を確定する
- 一度目をつぶって冷静に形をイメージしてみる
- 二次元(紙やモニタ)の中に立体をイメージする
大きなパーツとして描いたあとに細かい部分を描く
最初から細かく描き進めると全体のバランスが把握できずにデッサンが取れないことがあります。
体をパーツごとに描いてそこから細かく描いていきましょう。
センターラインを入れる
パーツごとにセンターのラインを入れましょう。
例えば、頭、首、胴体、肩などです。センターラインを入れることでバランスが取りやすくなります。
確かな部分を確定する
デッサンの狂いを確認する上で重要な部分は『頭』と『胴体(腰まで含む)』です。
この2つのパーツに狂いが無いか?まず徹底的に確認しましょう。そこが狂っていると手足は歪み、デッサンの狂いが生じます。
一度目をつぶって冷静に形をイメージしてみる
狂ったデッサンを何度治しても、治らないことがあります。
その時は目をつぶって描きたい絵をイメージしてみましょう。
その際、イメージできたとしてもデッサンが狂った絵をもう一度治すより、1から描き治すことがおすすめです。
頭でイメージをしてもさっきまで描いていた絵を見るとそちらに意識が向いてしまいます。
描き直したほうがいいんですね
二次元(紙やモニタ)の中に立体をイメージする
デッサンの狂いは紙やモニターの二次元画面で、『空間認知』をすることで解決することがあります。
立体を感じながら描きましょう。3Dデッサン人形のグリッド(体の線)をイメージすると良いでしょう。
最初は難しいと思いますが、繰り返しイメージの練習をしてみましょう。
デッサン狂いはどこが目立つ?
デッサンの治しを繰り返し直していても時間がかかるばかりです。
では読者が漫画を読んだ時に気になってしまう目立つデッサンの狂いはどこでしょうか?
ポイントはこちらの3つです。
- 左右の目のバランス
- 両肩のバランス
- 物の大きさ
①左右の目のバランス
漫画を読んでいる時に読者に一番見られるのは『表情』です。左右の目のバランスに気を付けてください。
②両肩のバランス
見落としがちな上、狂うことが多いのが両肩です。どちらかが上がり過ぎていたり、下がり過ぎていることがあります。
特に狂いやすいのが、
- キャラをアオリで描いた時
- キャラをフカンで描いた時
- キャラの背景を描いた時
この3つは注意してください。特に背景を描いたときは、背景のパースと合わせないと狂いが目立ちます。
③物の大きさ
特に、普段使うことが多い物の大きさのサイズが違うととても目立ちます。
例えば歯ブラシなどは誰でも毎日使うので、サイズ感が少し違うだけで違和感が出ます。
何度やってもどうしようもないときは?
いくらデッサンを治しても、治しても治しても良くならないことがあります。
ぼくもたまにあります
そんなときは仕方ないので諦めることも必要です。
あ、諦めるにゃ!?
なぜならば漫画は締切があったり、他にも描かなければならないコマがあるからです。
そんな時は下記の方法がオススメです。
目立つデッサンの狂いはどう対処する?
手前に物や効果音を入れて隠すという方法もあります。
それでも隠せない時はチリ(塵)やフキダシで隠すのもありです。
気になるところに効果音やフキダシを入れる。
どうしようもない時はぼくも使う手です。それでもダメな時は特殊なトーンを貼ったり、隣のコマから絵をはみ出させてかぶせたり。考えてみましょう
なぜデッサンが狂うのか?
そもそもなぜデッサンが狂うのでしょうか?
- 輪郭ばかり気にしてしまうから
- 白黒で描いているから
輪郭ばかり気にしてしまうから
物の『立体』が頭に入っていないとデッサンは取れません。
特に気を付けたいのが、物の輪郭ばかり意識してしまうことです。輪郭ではない部分も意識をして立体をイメージしましょう。
こちらは手の輪郭を描いた絵です。これだけだと、違和感を感じると思います。
こちらはどうでしょうか?輪郭だけではなく、手のひらのオウトツがわかると思います。
白黒で描いているから
現実で意外と多いのが写真をトレースした時に起きるデッサンの違和感です。
写真をトレースしたのにデッサンがおかしいなんてことがあるのか、不思議だと普通は思われますが違和感は割と多いです。
なぜそんなことが起きるかというと、写真はカラーで情報が多いので立体を感じやすいですが、漫画は基本的に白と黒の二色で表現するので表現できなくてもしかたありません。
そんな時には漫画的表現で補いましょう。
漫画的表現というのはオウトツを表す線をあえて入れるや線に強弱をつけるということです。
こちらの絵は左は背中の部分に線がありません。しかし右にはシワの線があり、より立体を感じやすいと思います。
読者は漫画のデッサンをどこまで気にする?
漫画では完璧なデッサンを気にする必要は正直に言ってありません。
作者が思っているほど、読者は漫画のデッサンを気にしないからです。
そんなことを言ってしまうとここまでの話は何だったんだ?と言われると思いますが、実際に読者はあまりデッサンの狂いに気づきません。
その理由は漫画を読んでいる時はストーリーに没頭しているからです。
とはいえ、編集者はそうはいきません。
編集者は、売れるための最低限の画力があるか?というチェックを必ずします。
デッサンの狂いが無いほうがチャンスが多いのは間違いないです。1コマずつ丁寧に描きましょう
【重要】漫画制作中のデッサンの狂いを治す方法【それでもダメな時は?】まとめ
デッサンの狂いの見つけ方や治し方を覚えてスムーズに漫画制作をしてください。とはいえ、あまり意識し過ぎて時間をかけ過ぎることもよくありません。
読者がデッサンを気にしなくなる導入の数ページを全力で取り組みデッサンの狂いを無くしてみましょう。そのあとのデッサンの狂いには読者はあまり気づかないと思います。
読者はそんなに気にしない。ということも覚えておいてください
こちらは絵を描く時に引っかかりやすい箇所の対処方法について書いています。
漫画完成後のクオリティアップはこちらの記事で。