誰でも漫画を読んでいて、途中で『ん?』と一瞬止まってしまった経験があると思います。
漫画を描く側としては、このように読者が止まってしまうことはなるべく避けたいところです。
ぼくも知らずにやっているかもにゃ
止まってしまうと、没入感が失われますね
俺の熱い漫画は一気に読んでほしいぜ
注意する場所を解説していきます
ぼくもなるべくスムーズに読んでもらえればと思い、細心の注意を払って執筆しているつもりでも読み返すと読みづらいかも?と思うことがよくあります。
この記事ではやりがちな小さな失敗と違和感について解説していきます。
全てチェックして読みやすい漫画を心がけ、読者に楽しく読んでもらいましょう。
漫画でよく使われる『!?』。これについての違和感についても解説しています。
・ 漫画制作でやりがちな小さな失敗と違和感
漫画家。PN水兵きき。連載9回立ち上げ。漫画家協会会員。クリスタ検定(マンガ)合格。ココナラ漫画添削PRO認定。デジコレ『魔王だけどレベル1~』連載中。→作品紹介ページ
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小さな失敗・違和感『11選』
ここで取り上げる失敗と違和感はこちらです。
- フキダシの尻尾がない失敗
- フキダシのしっぽを間違える失敗
- セリフを読む順番を迷わせる失敗
- 白抜きをフキダシやワクにもしてしまう失敗
- !?の順番が『?!』の違和感
- 床に立ってないキャラがいる。パースのズレの失敗
- 背景にキャラのサイズが合っていない失敗
- 敵キャラが優位のときになぜか焦り?の汗をかく違和感
- キャラの目線の位置がズレている失敗
- 同じサイズの絵が同一キャラクターで続く違和感
- 標準語を話していたキャラが突然『方言』を使う違和感
1 フキダシの尻尾がない失敗
フキダシの尻尾とはこの赤い部分です。
たまにフキダシの尻尾を描かない方がいます。特にそれが1話目だと読者は大変です。
なぜならその漫画の設定も、キャラの性格もわからないと誰が喋っているか迷ってしまうからです。
作者自身は自分の頭の中で整理できているので『読者もわかる』という決めつけは命取りになります。
上の画像はフキダシのしっぽ有り。下の画像は無しです。
フキダシの『しっぽ』が無いと誰が喋ってるかわからないにゃ
その他にキャラの配置の関係でフキダシの尻尾が描けない場合があります。
この場合は誰のセリフかわかる工夫が必要です。
下の画像の一つ目のフキダシは別のキャラのセリフで『はうっ』は女の子のセリフです。
どうみても1つ目のセリフを受けて『はう』の顔になっています。
これが1つ目のセリフを言っているような表情だと読者の混乱を招きます。
誰のセリフなのか読者を迷わせないことが必要なんですね
2 フキダシのしっぽを間違える失敗
フキダシのしっぽの向きを失敗したまま気づかない場合があります。
読者は一瞬止まってしまいます。最終チェックをしましょう。
この失敗はしたくないにゃあああ
3 セリフを読む順番を迷わせる失敗
読者の目線はコマの右上からはじまり、読み左下に進みます。
左下に進んだときに次のフキダシが近い所に二つあると、どっちを先に読んで良いか迷います。
読む順番を間違えると話が分からなくなる場合があるので、フキダシの配置に注意しましょう。
気を付けるぜ!
4 白抜きをフキダシやワクにもしてしまう失敗
デジタル作業でのみ発生することですが、キャラクターの白抜きをするときにフキダシとワクの白抜きを消し忘れてしまうことがあります。
まれに故意にそういう表現をされていて、どのコマもそうなっている方もいますが『白抜き』は強調と区別のために行います。
フキダシとワクを強調、区別する必要はほとんどの場合無く、見づらいと感じる読者が多いと思います。
たしかにワクを白抜きする必要はないですね
5 !?の順番が?!の違和感
漫画でよく使われる表現に『!?』があります。
『バカなーーーー!?』とかです
この『!?』が『?!』という逆の順番で使われていることがまれにあります。
それがどうしたの?という方もいるかもしれませんが、漫画で使われる『!?』はほとんどの場合『!?』の順番で使われています。
なぜそうなるのか、それはよく見るとわかるかもしれませんが、?! はバランスがとても悪いからだとぼくは思っています。9割以上が使っている『!?』の順番の方が違和感なく読めます。
ほとんど漫画が『!?』の順番で表記されてるんにゃ
6 床に立ってないキャラがいる。パースのズレの失敗
この失敗は机など比較できるものがある場合に違和感が出ることが多いです。
机に座っているメインキャラの『手前』にキャラを配置した場合、読者は机のパースを無意識に認識します。
机のパースを考えないでキャラを配置すると「床」に足がついていない空中に浮いたキャラや床に埋まったキャラを描いてしまうことがあります。
枠内に足が描いてないから平気。と判断せずしっかり位置を調整しましょう。
7 背景にキャラのサイズが合っていない失敗
背景とキャラクターのサイズがあっていないことがあります。話にあまり関係ない背景でも違和感があると読者は止まってしまいます。
特に学校の机のサイズなどみんながよく知る物の大きさが違うと一目でわかります。注意してください。
よく見るものとのサイズが合っていないと違和感がありますね
8 敵キャラが優位のときになぜか焦り?の汗をかく違和感
敵に攻め立てられてピンチになる主役に感情移入して読者は漫画を読んでいるはずなのに、攻めている敵が焦り?の汗をかいていることがあります。
下の画像は敵が汗をかいています。
この汗は読者にとって違和感の何物でもありません。
ぼくが漫画を読んでいてよく見かけ「つまらない」と思ってしまう違和感です。
こんなことがなぜ起こるかというと、作者は敵キャラは実は優しく、本来主役に対してこんなことはしない。という表現かもしれません。
しかし主役に感情移入しているピンチの瞬間に、相手の優しさなど読者に伝える必要はありません。
その他にも焦りの汗をかかせてしまう理由は作者本人がこんなことはしたくない。という現れの場合もあると思います。
俺も、『やりすぎた!』って時に汗を描いてしまうことがあるぜ。でも確かに意味が分からないぜ。読者は表情をよく見ているってことだな
9 キャラの目線の位置がズレている失敗
目線のズレの失敗もよく見かけるものです。
例えば二人のキャラがいて、一人は立ち、もう一人は横でしゃがんでいたとします。
しゃがんでいる人が隣の人にで真剣な話をしているときに、相手の顔の位置を正確に見ていなかったら、ほとんどの読者はその違和感に気づきます。
目線のはしっかりと微調整しましょう。
言われてみれば違和感がありますね
10 同じサイズの絵が同一キャラクターで続く違和感
同一キャラクターの同サイズの絵が続くのは違和感があります。
「間」を取ったりすること以外は避けたほうが良いでしょう。
読み見返してみると同じサイズで描いてて、おかしく感じることがあるにゃ
11 標準語を話していたキャラが突然『方言』を使う違和感
標準語を話していたキャラが意味もなく突然、方言を使ってしまうのは読みこごちを損ないNGです。
漫画は極端な表現をすることがあるのでギャグの所で『なんでやねん』などは読者も理解できるのでOKです。
しかし、ギャグでもない所でいきなり方言は使わないようにしましょう。特に地方出身の人は注意が必要です。
ぼくは『じゃん』が方言と言われる地域の出身です。なので『じゃん』はなるべく使わないように意識しています
今まで漫画を読んできて『んん?』となった例をあげるとこちらです。
- 笑える→笑ける
- 笑わせる→笑かす
- ○○しないでください→○○せんでください(西日本の広い範囲で使用されているそう)
普段から方言を話しているキャラならば構いませんが、突然の方言は没入感を失います。
不安な人は編集者やSNSで『方言が混じってないか?』と聞いてみると良いでしょう。
さっきまで標準語だったのに・・・なぜ?
『小さな失敗・違和感』まとめ
- フキダシの尻尾がない失敗
- フキダシのしっぽを間違える失敗
- セリフを読む順番を迷わせる失敗
- 白抜きをフキダシやワクにもしてしまう失敗
- !?の順番が『?!』の違和感
- 床に立ってないキャラがいる。パースのズレの失敗
- 背景にキャラのサイズが合っていない失敗
- 敵キャラが優位のときになぜか焦り?の汗をかく違和感
- キャラの目線の位置がズレている失敗
- 同じサイズの絵が同一キャラクターで続く違和感
- 標準語を話していたキャラが突然『方言』を使う違和感
読者は細かいことでも気になると止まってしまいます。
なるべくスムーズに読めるように小さな失敗や違和感を事前に直しましょう。
出来上がったら読者の気持ちで読み直すのが良いでしょう
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