漫画家の原稿料は最初はどのくらいか知っていますか?そしていつ上がるのか?
漫画家の原稿料が知りたいにゃ
どんな時に上がるのでしょうか?
売れたら出版社と交渉したいぜ
ぼくの原稿料の推移の全てを公開します
この記事では漫画家の原稿料はいつ上がるのか?どこまで上がるのか?そんな疑問にぼくの体験を元にして解説していきます。
結論から書くと、ぼく漫画家水兵ききの原稿料は7,000円からはじまり、11,000円まで上がりました。
原稿料の詳細を公開しつつ、最近の漫画業界の原稿料事情も見ていきましょう。
そして、原稿料の交渉をするタイミングがいつなのかもお伝えするので、漫画家を目指す方はプロになった時のために覚えおきましょう。
・漫画家の原稿料推移
・漫画家の原稿料が上がるタイミング
・原稿料を交渉するタイミング
単行本1冊出してもらえる金額はこちらで明細書公開しています。
新人漫画家の原稿料はいくら?
デビューした時にもらえる原稿料は出版社によって違います。
ぼくの場合は2003年にスクウェア・エニックスでデビューさせていただき、その時は1ページ7000円でした。
こちらがその時の明細書です。
- タイトル 魔法少女るかなー
- 単価(1p) 7,000
- ページ 26
- 合計 174,000(巻末コメント代金がプラスされたり、消費税や源泉を足されたり、引かれたり)
その後しばらくはそのままの値段でした。ではいつ上がるのでしょうか?
原稿料が上がるのはこの『4つ』のタイミング
原稿料が上がるタイミングは『4つ』あります。
- 連載を持った時
- 別の出版社からお誘いを受けた時
- 交渉せず勝手に上がる時
- 自ら交渉した時
それぞれ解説していきます。
連載を持った時
ぼくはスクウェア・エニックスでの連載作『あいは呪いの日本人形 』を始めた時に7,000円から9,000円に上がりました。
上の画像は新人の頃の明細
連載が始まると原稿料がアップしました。
実に28パーセント以上上がっています。
ではなぜ連載と同時に原稿料が上がるのでしょうか?
それは、『読み切り漫画』では原稿料の回収が出来るかわからない点があります。
つまり、連載は単行本が出ることがほとんど確定していて原稿料の回収が出来ると判断しているからアップできるのです。
読切漫画は単行本になるかわからないから原稿料が低く抑えられているんですね
別の出版社からお誘いを受けた時
別の出版社で描くことになった時も原稿料が上がることがあります。
講談社で描かせて貰うことになった時は1P11,000円になりました。
合計金額しか書いていないので計算するとこうなります。
11,000×16=176,000
他の出版社は漫画家に高い評価をしているということを示すためや、モチベーションを上げるために金額が上がります。
交渉せず勝手に上がる時
いつの間にか勝手に上がることもあります。
↓8,000円が8,500円に。
いつの間にか上がってる!ラッキー
自ら交渉した時
そして最後が自ら交渉したときに上がることがあります。
ぼくは交渉したことは今まで無いのですが、ずっと連載をされている場合は交渉するとすんなり上がることがあるそうです。
長く連載している方はお試しください。
原稿料が決まるタイミングはいつ?
新人の時は交渉する余裕もタイミングもなく、出版社のいう通りの金額をいただくのが一般的です。
しかし漫画家の方から原稿料アップを狙える瞬間があります。
そんなタイミングがあるにゃ!?知りたいにゃ
それは別の出版社で漫画を描く時です。
具体的なタイミングは担当と漫画の打ち合わせをしているときに、担当から『原稿料は・・・』と切り出してくるタイミングがあります。
その時に原稿料が決まります。
その時の話の多くは、『〇〇出版社ではいくらでしたか?』という話になります。
原稿料は今後の生活に直結しますし、この後は原稿料の話をする機会はまずありません。
思い切ってここで交渉するのもありだと思います。
ぼくは内気なので交渉できませんでしたが、チャンスはここしかありません
嘘をつくのは良くありませんが、現在の原稿料を伝えた上で『〇年変わってないんです』など、伝えると良いと思います。相手の出版社は原稿料をある程度の幅をもって想定しています。
漫画家のモチベーションをあげるために少し上げてくれる可能性があると思います
執筆者の原稿料推移
筆者(水兵きき)の新人時代からの原稿料推移です。
スクウェア・エニックス 1P7,000円
メディアワークス 1P8,000円 ➡1P8,500円
スクエニとは別の出版社で描いたときに上がりました。
アップ↓
講談社 1P11,000円
講談社でも上がっています。
スクウェア・エニックス 1P7,000円➡ 1P9,000円
スクエニで連載を持ち、原稿料が上がりました。
秋田書店 1P11,000円
秋田書店では他の出版社で、この金額の原稿料だと伝えると同じ金額にしてくれました。
小学館 1P11,000円
小学館も同様です。
長期連載ができなかったので、ぼくは今のところ11000円までです
最近の漫画業界の原稿料傾向
最近は原稿料が下がってきているようです。
連載を持っていなかったり名前が知られておらず「売れていない」漫画家の原稿料は1ページ4000円~7000円前後が目安。
人気漫画家であれば1ページ2万円~3万5000円前後が多く、生活するのにも問題ないくらいの原稿料が受け取れます。
https://www.amgakuin.co.jp/contents/comic/column/become/mangaka/income/
原稿料下落の原因として考えられるのがアプリ漫画の台頭による配信会社の増加で、会社によって原稿料がそれぞれということです。
プロの漫画家の高額原稿料
低い原稿料もあれば高額な原稿料もあります。
プロの漫画家の原稿料は中々表に出てきませんが調べたところだと
手塚治虫先生が最高1P10万円
尾田栄一郎先生が1P5万円
漫画家本人はあまり公表しないですね。尾田先生はもっといってそうです
売れてる漫画家は原稿料はあまり気にしないと思います。
というのも、売れていれば単行本の印税で潤うからです。
『漫画家の原稿料は1Pいくら?いつ上がる?いつ交渉する?』まとめ
配信会社の増加による読者の取り合いで、今はよほど売れないと原稿料が上がりにくいかもしれません。
漫画家を目指す人はデビューしたら交渉のチャンスを逃さないようにしましょう
単行本一冊出してもらえる金額の記事はこちらから。明細書も公開。