連載が終了した漫画家は次の連載を目指すべく、出版社にアプローチしなくてはいけません。

ぼくは2024年8月に連載が終わりました。次の連載を目指しています
漫画家志望者さんの参考にもなると思うので、これからぼく水兵ききが行う戦略を実践していく過程を公開していこうと思います。
新たな連載を目指すために行う戦略は主に以下の4つです。
- 絵柄を更新する
- 流行りのジャンルを研究する
- 好きなものを取り入れて描く
- チャンスは全て生かす
これらを意識して新作のネームを描いていきます。
新作作成に当たり、クラウドファンディングで応援していただきました。水兵ききのクラウドファンディング
前提
一度連載を経験した漫画家は基本的には、読み切り作を描く必要はありません。なのでぼくは新連載第1話のネームを描きます。
とはいえ、最近は漫画家志望者も読み切りではなく第1話のネームから連載を獲得できる場合が増えています。連載用のネームを描いて投稿&持ち込みをするのも良いと考えています。

連載終了の8月からしばらくゆっくりしていました。11月に開催したクラウドファンディングと同時に新連載獲得を目指して動き出しました
11月-1 絵柄の更新
連載が終わったタイミングは①絵柄を更新する絶好のチャンスです。

ということで、参考に漫画版ロシデレのアーリャさんを描いてみました
※ロシデレ=時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん
ロシデレは絵のクオリティが高く最近の絵柄の一つといっても良いと思います。見せるコマでの描き込みの繊細さは群を抜いています。
特に目と髪の毛が立体的で簡単には真似できませんでしたが、描いてみると自分の絵とどこが違うかわかり勉強になります。


目と髪の毛の立体を取り入れて新作制作に励もうと思います
アーリャさんを学んで描いた自分のキャラです。髪型が結構似てます。

11月-2 出張編集部
11月17日にビックサイトで開催されたコミティア出張編集部に持ち込みをしてきました。
描いた漫画は②流行りのジャンルである異世界転生漫画です。③好きなものを取り入れて描く というのも満たしています。
新作38Pの下描きを6編集部に見てもらいました。ありがたいことに3社から名刺をいただきました。

持ち込みでは想定していたアドバイスと、想定していなかったアドバイスをもらえます
想定していたアドバイスはページ数の関係などで描き切れなかった自分でもわかっていることなのであまり参考にならないことがあります。
しかし想定していなかったアドバイスはとても貴重です。その中でも自分が納得できる目からウロコのアドバイスには注目し次回作で必ず取り入れていきましょう。
想定していなかったアドバイスとはと言え、理解できないアドバイスは取り入れる必要はないと考えています。それを単純に取り入れたからといって漫画が面白くなることはほとんどありません。

言われたことをそのまま描いても面白くならない。取り入れるなら理解してから!
12月ー1 編集プロダクション
コミティアで名刺をいただいた編集者さんから、原作付きはどうか?というお話をいただきました。
この時点で特定の原作がすでにあるわけではなく、これから探して斡旋したい。といういわゆる編集プロダクションさんからの提案です。

編集プロダクション=編プロは、独自に漫画発表の場を持たず漫画家を編集部に売り込み、漫画家と漫画制作をする会社です
④チャンスは全て生かすという考えからぼくはこの提案を受け入れ、原作を探していただくことにしました。
12月-2 オンライン投稿
12月は新作の下描きを2作描き上げました。年末のコミケの出張編集部に持ち込みをしたかったのですが、都合がつかず見送りに。
なので、この作品はネット投稿をしました。投稿先サイトはデイズネオと秋田書店のWEB持ち込み窓口です。
残念ながら共に良い評価をいただけませんでした。
2025年1月 編集プロダクションで進展
新作下描きは1月末までに合計で5作完成しました。それとほぼ同時の1月下旬に編集プロダクションのほうに進展がありました。
とある出版社で作画できる漫画家を探しているので「いかがですか?」というものでした。原作の小説を読んでみると面白く、ぼくはこれを受けることにしました。
とはいえ初めての編集プロダクションでの契約の流れは、直接出版社とやり取りするものと比べると原作者も居てやや複雑です。
やり取りの流れとしてはこうなります。
漫画家 ⇔ 編集プロダクション ⇔ 漫画出版社(編集部) ⇔ 原作者
一応ぼくがお仕事を受けた時点で、このお仕事をいただける確約はいただいていますが、原作を持っている漫画出版社とやり取りしていないのでやや不安があります。
ぼくはこれまで不当な扱いはされたことはありませんが、漫画業界の噂では稀に『決まっていた連載がだめになった』などネット上で散見されます。

とはいえ、口頭やメールでも契約は成立します。言質をいただいているなら漫画家の方によほどのルール違反がなければ問題ありません
漫画の契約についてはこちらでも触れています。【暴露】“漫画業界あるある”エピソード『4選』【闇?】
2月 キャラクターデザイン
クラファンでご支援していただいた方へのリターンを制作しつつ、小説の原作を読みキャラクターデザインを進めました。3月からネームを開始します。
【実録】プロ漫画家が次の連載をもらうための『4つ』の戦略まとめ
2024年11月から新たな新連載を目指して新作の制作をはじめ、幸運も重なり1月末には次の連載のお話に繋がりました。
とにかくここで伝えたいことは「漫画業界は今バブル」だということです。アプリ漫画の隆盛でチャンスはかつてないほどに多いです。

プロ漫画家を目指して漫画制作に邁進するのは今が絶好のチャンスです!
一人で漫画を描くのが不安な方は、水兵が提供するこちらのサービスもどうぞ。